投資関係 メモ

見たyoutubeを文字に起こしたメモになります。

アメリカが基軸通貨としてのドルを守らなければならない理由

引用↓

https://twitter.com/7shou7kin/status/1484486470853267459?s=21

 

アメリカが基軸通貨としてのドルを守らなければならない理由と、世界がそれを不満を持ちながらも受け入れている理由についてぶら下げていきます。

これは世界の経済の基本的な構造を理解するということにもなります。
画像はG20の国を対象とした経常収支のランキング。
2020年のもので単位は10億USドルです。
中国が躍進。ドイツ、日本も常に上位を占める万年経常黒字国です。つまり貿易や投資で総合的に儲けている国ということですね。

このランキングを見て不思議に思うことがひとつありますよね。そうアメリカの存在です。
世界の主要企業の多くを持ち、世界を引っ張るアメリカの名前が出てこない。
世界の富を独占していると言われれているアメリカなのにです。

アメリカは統計が取れる中ではG20の中で最下位。世界で見ても193位です。世界の赤字のほとんどを受け持っていると言ってもいい。その上には前基軸通貨であるポンドを持つイギリスが続きます。
アメリカは世界の赤字のほとんどを受け持っている。
なぜか。基軸通貨であるドルを発行しているからです。

基軸通貨であるドルを以下にして皆に配るか。暗号資産界隈ではAirDropなどが行われますが、さすがに配ってまわるわけにはいかない。そこでアメリカは世界から様々なものを買うわけです。発行したドルで世界から買って買って買いまくってドルを配布している。世界の国々はそれを受け取り使います。

つまり世界の成長分の赤字をアメリカが出すことで世界は回っているわけです。じゃぁ アメリカがもたないじゃないか。このままであればそうなります。
そこでドルがアメリカに戻っていく仕組みが用意されています。それがアメリカへの投資です。

世界の国々はドルを受け取り、それぞれの国際的な決済を行いますが、それは持ち主が変わっていくだけのことです。そして最終的な持ち主はそのドルを運用しなければなりません。持っているだけではインフレ分の損をしていきます。持っているドルの運用先を探さなければなりません。

大量のドルの運用先は、ドルを日常的に使い、ドルでの売買が大量に行われるアメリカということになります。
最終的なドルの運用先はアメリカになる。
アメリカの国債を買ったり、アメリカ企業の株を買ったりということになるわけです。
つまり、出て行ったドルが投資としてアメリカに戻ってくる。

世界はアメリカにものを売ってドルを受け取る。そこではアメリカが赤字、世界が儲けるわけですが、その儲けたお金をアメリカに投資するという図式になります。
この構図があるため、アメリカは世界最大の株式市場と債券市場を持ち、大きな時価総額を持つ企業を多く保有していることになります。

自らが発行するドルで世界から大量に買い、その資金を自国に投資してもらい成長する。これがアメリカの成長の源です。アメリカが世界最大の市場を持つのも、世界最大の購買力を持つのもの、大きな時価総額の企業を持つのも、この構図があるためです。
そして、その仕組み根本は基軸通貨のドルです。

世界は不満を持つ面は当然ありますが、自分たちの大量のドルを持ち、それをアメリカに投資しています。
ドルの価値が極端に下がったり、アメリカが衰退することは自らの損失にもつながる。暗号資産界隈的に言えば、世界の国々がドルをステーク、もしくは流動性供給しているわけです。

では、基軸通貨であるドルがその価値を失ったり、例えば暗号資産による決済などによって基軸通貨の立場を失ったとすればどうなるか。
過去に世界の赤字のほとんどを受け持ってきたことや、世界が所有し、アメリカに投資しているドルの価値、作り上げられてきた構造のすべてがおかしくなるわけです。

そんなことはアメリカはもとより世界の国々が望んではいない。
アメリカが世界からモノを買い、赤字を垂れ流し、世界は儲けて、それをアメリカに投資して循環させる。この構図は理解しておかなければなりません。
これをひっくり返すことがどれだけ大変かということですね。

世界が作り上げてきた構図です。
世界中がドルエコシステムのステークホルダーであり、流動性供給者です。
アメリカはリスクをとって基軸通貨国として何十年にわたって赤字を垂れ流している。
ドルを守らなければならない絶対的な理由があるわけです。

アメリカがドルを供給できなくなる状態は当然ですが、アメリカに投資が集まらなくなる状態もこの構図の崩壊を招きます。循環が成立しなくなりますからね。
世界は不満を持ちながらもこの構図の維持に努めています。その上で、各国で暗号資産などがどう取り扱われるかを想像しなければなりません。